毎日gdgdと過ごす日々


by tlunar
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

カテゴリ:BookReview( 21 )



あさりよしとお氏の描く、リアルな宇宙生活を綴ったオムニバス第2弾。
小惑星での採掘や、地球圏から人類が脱出した未来を舞台にしてそこで繰り広げられる、普通の人の生活を科学的考証を元にリアルに描き出している。

収録作品は、小惑星生まれの少年が、狭い世界と変わらない日常に不満を抱く「小惑星の日」、某国の将軍様が世界初の宇宙空間用戦闘機を作ろうとする「独裁者の幻想」、エリートとして月基地での調査員として暮らす2人のエピソード「月は地獄だ」、小惑星を渡り歩くの採掘作業員が遭遇した、ある小惑星での出来事「ドワーフの村」の全4編

いずれも、シリアス過ぎず、かと言ってコメディというにはスパイスが効いたあさり節が楽しめる。
特に「独裁者の幻想」では、多くのSF作品における描写への「(現時点での)理想と現実」がきっちりと描かれていいます、他の3編もつくづく宇宙は人が住めるトコロではなく、地球は住むには恵まれているトコロだというのがこれでもかと描かれていて、宇宙で暮らすって、想像以上に大変です。
でも、そんな宇宙に住んでいる人がいて、地球の私達よりもちょっぴりシビアで厳しい環境で人生を送っている。

・・・このマンガの底にあるのは限りない「宇宙への憧憬」なんじゃないかな。

絵のタッチは今風じゃないけれど、同じあさりよしとお氏の著書「まんがサイエンス」とともに、小中学校の図書館に揃えて欲しい本だと思います。


[PR]
by tlunar | 2014-01-20 20:24 | BookReview
鉄腕アトムのスピンオフ作品も8巻で完結となりました。
主人公が世界最高水準のロボット刑事「ゲジヒト」だったり、謎の機関が出てきたりとかなり強い浦沢色が出ています、原作というよりオマージュと言った方が正しいかも。

ロボットの人権、ロボットと人の有り方が根底にあるのは一緒ですが、アトムが普通の少年みたいだったり、人と区別がつかないロボットが人権を持っていたりと、かなり特殊な世界を書きながら、それが普通だと思わせる世界観の構築と、人間関係の複雑さ、伏線の張り方はまさに、浦沢作品と思わせる出来栄えです。

最終的には、裏で全ての糸を引いていた存在が明らかになるのですが・・・それまでの伏線や物語に比べるとあっさりしすぎかなぁ、と言う感じがします。

浦沢作品では「モンスター」「20世紀少年」と風呂敷を広げるだけ広げるという感じがあるのですが、8巻ぐらいまでだとスッキリとして良い感じですね。
広げた風呂敷がちゃんと畳み切れている感じがします。
まぁ、原作がある分当然なのかもしれませんが。


現在連載中の「ビリーバット」は・・・原作が無い分、またかなり大風呂敷になるような感じですが、10巻程度で納めてくれると嬉しいなぁw
[PR]
by tlunar | 2009-07-06 23:03 | BookReview

「ARIA」 著:天野こずえ

b0012247_19512745.jpg
遥か未来、テラフォーミングされた火星は水の惑星となった。
物語の舞台は「AQUA」と名を変えたその惑星にある、地球のヴェネチアをモデルとした観光都市ネオ・ヴェネチア。
その観光都市で女性だけが就く事が出来るゴンドラによる観光水先案内人「ウンディーネ」を目指す地球出身の少女、水無灯里(みずなしあかり)の物語。

未来らしい設定や舞台装置は出てきますが、基本はウンディーネ見習としての日常の生活や、灯里の友人達とのやり取りが、ひたすらに優しく、ゆっくりと描かれていきます。
この物語に悪人は出てきません。
舞台となっているネオ・ヴェネチアには犯罪や貧困なんかのマイナス要素がないんじゃないかと思えるぐらいに、すべての登場人物が優しく、キラキラと輝いています。
変わらない日常を描いていますが、ゆっくりと登場人物たちは成長し、ついにこの12巻(正確にはAQUAという別出版社から出ているモノがあるので、全14巻になりますが)で、灯里は夢であった一人前の「ウンディーネ」になる事ができ、物語としての区切りを迎える事になりました。

未来の架空の町における架空の職業を描いているのですが、主人公である灯里の身分が、「見習い」というためか、主人公視点には職業的な部分は少なく、どちらかといえば専門学校生とかの感覚が近いように感じます。

純粋な登場人物達が、美しい舞台で、優しい物語を紡ぐ。
ARIAはそんな物語です。

現実にはあり得ないのに、自分の気持ち次第でARIAの登場人物のように世界が美しく見えるようになるのではないかと思わせるコミックです。
[PR]
by tlunar | 2008-03-10 20:24 | BookReview
b0012247_228449.jpg正統派TRPGであるD&D、そのシナリオを元に書かれた冒険小説です。
TRPGのシナリオが元になっているだけに、背景世界の描写やそこに現れる魔法や神の描写については細かく書かれてはいません。既に説明されたものとして物語のなかで出てくるだけです。

主人公はレンジャーのジャスティカー、禿頭の大男で剣術の達人、魔法も使えるという完璧超人。彼をリーダーとして、ピクシーのエルカーラ、意思を持つケルベロスの毛皮シンダーズ、運搬人のポークといったメンバーが奪われた魔法の武器を取り戻すために火山の中に作られた地下迷宮を進み悪の魔術師と対決するというもの。

ストーリーは単純ですが、いくつもの陣営の思惑が絡んでいたり、迷宮を進むうちに減ってくる装備や魔法の数、姿を消していく仲間達。
最後はボロボロになった状態で最強の敵と戦うことに・・・。
物語はテンポよく進むので、一気に読めてしまいます。
出てくるキャラクターも魅力的で彼らを主役とした次の話が読みたくなるほど。今の日本であればリプレイ形式でストーリーが語られるかも知れません。
これはグレイホークと呼ばれるAD&Dのサプリメントが元になっている世界で、それを知っていれば、各所に出てくるアイテムやモンスターがさらに楽しめるようになっています。

このようなAD&Dの世界が元になった小説は本書のほかに「ドラゴンランス戦記」や「ダークエルフ物語」があります、いずれも日本のファンタジー小説とは異なり挿絵はバタ臭い絵柄だし、スマートさとは縁が無いものではありますが、骨太のファンタジー世界にドップリと浸かることが出来ます。
日本のRPGやファンタジー世界に多くの影響を与えてきた世界が楽しめる本だと思います。
[PR]
by tlunar | 2006-09-10 23:37 | BookReview
b0012247_1721253.jpg徹底的に数学的な頭を持っていない私ですが、科学とか数学の理論を読むのは大好きです。
もっとも、大半は読めても理解できないということになるのですが・・・

この本は実際に3世紀の間「証明」される事なく存在し続けた、数学的な問題「フェルマーの最終定理」を完全に証明した一人の数学者アンドリュー・ワイルズ教授の物語を軸に、最終定理を投げかけたフェルマーや数学を世に表したピタゴラスなどの物語を交えながらの歴史ドラマに仕上がっています。

数学の中でも、数そのものが持つ性質を解き明かす「数論」と、その研究に情熱を奉げる数学者達、そして数々の天才が編み出してきた理論をくみ上げて、ついに最終定理の証明が姿を現すくだりは、まさに「真実は小説よりも奇なり」という感じです。

この本の作者、サイモン・シン氏はケンブリッジ大学大学院で素粒子物理学の博士号を取得し、ジュネーブの研究センターに勤務後、英テレビ局BBCに転職したという変り種で、この本の元になったドキュメンタリー番組『フェルマーの最終定理』も手がけています。
数学的な洞察とそれを分かりやすく噛み砕いた文体は非常に読みやすいです。
これを読むと、知的好奇心が刺激されて自分でも数学を始めて見たくなります、数学は微積分で挫折しましたが、証明問題は好きだったんだよなぁ。


【フェルマーの最終定理】
x+y=z
nは3以上の整数解を持たない


これだけ見てると、凄く単純そうなんですけどねw
[PR]
by tlunar | 2006-07-09 17:26 | BookReview
b0012247_1975158.jpgあえて、流行物からちょっとはずれてみるのが好き。そんなわけで、「ダヴィンチコード」の主人公ロバート・ラングドン教授の最初の事件について書かれた長編小説「天使と悪魔」です。

ロジック的にはダヴィンチコードとほぼ一緒、短い時間内に次々と提示されるローマの古代美術にまぎれている謎をラグンドン教授が解き明かしていくと言うものです。ダヴィンチコードも「協会に喧嘩売ってる」などと中国などから上映拒否をされたりしていますが、映画化の決まったこちらも負けず劣らずの内容です。
何しろ事件の背景に絡んでいるのは、教皇選出会議「コンクラーベ」だったりしますし。


ローマ中をダイナミックに動き回る場面転換と二転三転する黒幕は読んでいてスピード感が感じられます、ただ主人公が大学教授にも関わらずスーパーマン過ぎるような気もしますが・・・そういった点も含めて、良くも悪くも非常に「映像的」な作品だと思います。

実在の美術品に絡めての謎は、実際にローマに行って実物を見て確かめたくなります、そういう意味では知的好奇心をそそられる作品ではありました。

いま、話題の「ダヴィンチコード」を読んでいるのですが・・・私の主観では「天使と悪魔」の方が作品としては面白いかも、なんとなく二番煎じの域を出てないような気がします。
そして小説内のラングドンと映画のトムハンクスがどうしても重ならない。
あんなモッサリしたオッちゃんって感じがしないんだよねw
[PR]
by tlunar | 2006-06-19 23:00 | BookReview
b0012247_19562355.jpg今回は画集です。
コンピュータRPGの黎明期、多数の人間を廃人へと追いやった「Wizardry」。その日本でのイメージを決定付けた、イメージボードをまとめた画集です。

末弥氏の描くイメージが出るまではRPGのイメージと言えばD&D等に代表される洋物が主流でした。
戦士はみなマッチョマン、女性はみんなまつ毛バタバタでボンキュッボンのムチムチ、豪快だったり、迫力はあるのですが
・・・みなどこか濃いものばかり。

そのファンタジーという世界に、可憐、繊細、妖気といった日本的な感性を感じさせるイメージを私にもたらせてくれたのが、末弥純氏の画でした。
それまで画像などなかったWizardryの洞窟を探索するキャラクターが、ナイトもエルフもウィザードもどこか妖しさを感じさせる繊細な色使いで描き出され、ゲーム中も彼の描くキャラクターを動かしているとイメージする事で、キャラクターへの思い入れが非常に強くなった事を覚えています。

この画集には、Wizardryで使用されたイメージボードとモンスターのラフスケッチが収められてます。
あの、線と文字、モンスターのグラフィックのみで構成された「Wizardry」の世界をさまよった冒険者であれば、買って損は無いものだと思います。

美しく、妖しく、可憐で、儚さを感じさせるファンタジー世界・・・末弥純氏の描く世界は私がファンタジーと聞いて思い浮かべるイメージの基本にもなっています。
[PR]
by tlunar | 2006-05-28 20:19 | BookReview
b0012247_20214856.jpgGWと言うことで、溜まってた本も徐々に消化しております。
そんな、中からぜひとも読んでみて欲しいのがこの「食品の裏側」です。

副題の「みんな大好きな食品添加物」とあるように、食品添加物について語られた啓蒙本なのですが、単に危険性を並べ立てたのではないのがこの本のいい所です。
著者の安部さんは食品添加物を売り歩いてきた、まさに食品添加物の伝道師だった人。そんな彼が自分が売り、広めてきた添加物についての「光」と「影」を明らかにしようとした本なのです。


安部さんは今では昔ながらの製法でつくる自然塩に携わりながら、日本全国を食品添加物についての講演活動を行っています。
その様子がテレビでも放映されていましたが、それはまさに化学実験。
目の前にずらりと白い粉の入ったビンを並べて、ビーカーの中で混ぜ合わされて出来上がる「ラーメンのスープ」や「無果汁のジュース」それらがすべて阿部さんの匙加減ひとつで生み出されていくのです。

中で書かれている事柄は現在の日本の食についての空恐ろしくなるような内容。
今の日本で添加物から逃れることが出来ないという事実、その中でどのように添加物と向き合っていけば良いのかなど、添加物の最先端で働いていた安部さんだからこそ訴えることが可能な、今の日本の食についての言葉が重い一冊になっています。 
ただ、添加物の本といっても、難しい科学用語は出てこないので非常に読みやすいです。

この本なかで安部さんが言ったこの言葉が今の日本を良くあらわしていると思います。

「食の乱れは食卓の乱れ、食卓の乱れは家庭の乱れ、家庭の乱れは社会の乱れ、社会の乱れは国の乱れ」 ・・・ 第6章未来をどう生きるかより

日本古来の和食、手間をかけた食事、自然の中で育てられた食品というものを今一度見直す事、それが現代社会のひずみを直す第一歩になるという著者の見識には、なるほどとうなずけます。
この本を読んで、普段食べている食品の原材料欄を気にするようになりました。

本当に、添加物をいっぱい食べている事に愕然としましたが・・・。
[PR]
by tlunar | 2006-05-02 20:25 | BookReview
b0012247_19105454.jpg 凄く久しぶりのBooks Reviewですが、今回は今月最終巻が出た蒼天航路です。
途中で原作者の李 学仁(イ ハギン)氏が亡くなってしまい、画を担当していた王欣太(キング コンタ)氏が1人で最終巻までを書き上げました。
この作品の面白いところは、通常「三国志」といえば創作部分の強い「三国志演戯」を元にして、劉備元徳が主人公となるところ、演戯では悪役として扱われている「曹操」を主人公として描いているところです。
彼が行った、現代社会に通ずるような施政の数々やその圧倒的な人間としてのあり方が、著者の持つ独特かつ迫力のあるタッチで描かれていきます。

そして、三国志を彩る数々の武将達もまた演戯とは異なる立場で描かれています。
人格者として演戯では主役を勤める劉備はやくざもののの頭領で、遊び好き、戦下手のべらんめぇ口調でしゃべる人物として描かれています。
この作品はなるべく「正史」に基づいた描写、そして語られていない所を、この作品で築き上げた人物像から想像するという作業を行っています。
実際には漫画的表現やファンタジーに類する部類も多いのですが、三国志への入り口としてはかなり優秀な部類に入るのではないでしょうか。

最期まで「曹操の死」を基準にして終わっており、曹操死後については殆ど触れられていないので、終わり方としては物足りなさを感じつつも、曹操を追いかけた物語としてはアリだと思います。

かなり画にクセがありますし、過激な表現も多いのですが・・・三国志の入り口として読んでみてはいかがでしょう。
[PR]
by tlunar | 2006-01-24 19:28 | BookReview
b0012247_13535648.gifネットでは有名な「生協の白石さん」が一冊の本になりました。

さっそく読んでみましたが、やっぱり面白いです。
白石さんのなんともいえない「間」を感じる切り返しがステキです、もともと大学の生協内にある、生協職員と学生を繋ぐ「一言カード」と「掲示板」でのやり取りが元なのですが・・・すごーく内輪の話題というのでもなく、ユーモアあふれるやり取りが連想できて凄く面白いです。

実際に顔を突き合わせたら、絶対に返す事のできないやり取りですが。
それだけに、白石さんという絶妙のキャラクターが持つ感性が、一言カードの答えからあふれ出ています。
白石さんの一言カードは元々、彼が勤める東京農工大学のサークルのホームページがきっかけで広まりました。
そのやり取りは様々なサイトやBlogを通して広まって、本人が知らぬ間にネット上では不動の人気を得てしまった「白石さん」の困惑ぶりが、本書の独白部分でも述べられています。

しかし、何よりすばらしいと思うのは、学生達が「白石さん」とのやり取りをいまだに「のんびり」と続けている事です、悪ふざけするでも、大げさにするでもなく「生協の白石さん」とのやり取りを真面目に楽しんでいる、その事が凄くホンワカ出来て良いなぁと思います。

今では、白石さん目当てで大学に来る人も増えてきて、白石さんはネームプレートをはずしてしまっているようですが、いまでも白石さんと学生達の間では一言カードがやり取りされています。
こんな本が出てしまい、しかもベストセラークラスになってしまいましたが、いつまでも「素」のままで学生達とやりとリしていってもらいたいなと思います。



来年あたり、東京農工大の入学希望者が増えたリしてw
[PR]
by tlunar | 2005-11-16 13:48 | BookReview