NNNドキュメント07「声の壁 発言できない議員」
2007年 06月 18日
声の壁 発言できない議員
ガンの手術によって声を失った地方議員のドキュメント。
人が他の人に意志を伝える一番有効な手段である「声」を失って、議員という仕事が続けられるかどうかという内容かと思っていたら・・・想像以上に重く、腹の立つ内容でした。
中津川市の市会議員である小池公夫さんは、声帯を失い声が出せなくなってからも、選挙では声を取り戻す努力をすると約束し、娘さんや協力者に原稿を代読してもらう事で選挙を勝ち抜き、議員として当選しました。
しかし、その後一回も本議会で質問の場を得ることができませんでした。
それは質問内容を書いた紙を市議会職員が代読する事を市議会が拒否したため。
自分の想いが伝わるからと「代読」を求める小松さんと
あくまでも自分だけの力で発言する事を求める市議会がわ
声を出すことが出来ない小松さんに、市議会が代案としてだしたのはPCソフトによる原稿の読み上げ。
小松さんは、いかにも器械的なPCの読み上げを拒みましたが、議会でこの件についての審議が行われ、賛成多数で代読を認めないことが可決されてしまいます。
小松さんはこれを受けて、議会での発言の方法については、自由に決める権利があると、「人権委員会」による勧告書を議会に提出してもらいます。
これが議会の気に障ったのか、メンツをつぶされたのかと思ったのか。
議会はあくまでも代読による発言を拒否、小松さんもそれに反発するかの様にあくまでも代読での発言を求める・・・そうして任期の4年の間、一度も本議会で発言の機会が得られぬまま、小松さんは議員を引退します。
今はPCによる読み上げも精度は高いですし、原稿を読むだけであれば充分に意味は通ります、市民の声を吸い上げるのが第一という議員の立場からすれば、小松さんの態度はややいき過ぎると映るかもしれません。
しかし、障害者という「少数派」の意見を、多数決で決まった事だからと、決めつけてしまっても良いのかどうかという観点にまで立ち返ると、あくまでも拒否し続ける議会の態度にも大いに問題があると思います。
そして、あくまでも静かに、感情を抑える小松さんに対して、番組のインタビューに答えた市議会議員や議長の態度はどこまでも尊大です。
たぶん地方都市の多くの議員や役所のえらいさんは同じような態度をしている気がします、人を見下して、自分が間違っているとは決して認めない傲岸不遜さ。
地方自治という小さな範囲での権力を隠さない、小物臭溢れるその態度は、全国区の番組でいっそあっぱれと言えるものでした。
自分達とは異なる存在に対して、私達は無意識に「壁」をつくっています。
それは、その気になればあっさりと乗り越えられるぐらいに薄く、軽いものであるにも関わらず、その気にならなければ決して破ることはできず、視線や声を通すこともありません。
そして、ほとんどの場合、私達は大多数の側に存在していて、少数の側に回ってから初めてその「壁」に気が付きます。
壁の向こう側にいる人の気配を探り、壁の向こうで上げている声なき声を聞くアンテナを持たないといけないと感じさせるドキュメンタリーでした。
今年の春に行われた地方統一選挙、議員を引退した小松さんは、家庭菜園を行いながらその時期を過ごしていました。その一方、彼の想いを無視してきた議員達も含めて、多くの立候補者が声を張り上げて、自分達への投票を呼び掛けていました。
こういった事でも、まともに対応しない議会が、大きな事でまともな事は出来ないでしょう。
小松さんは議会を変えることは出来ませんでした。
では、いったい誰が中津川市を変えるのか・・・難しく、重い問題だと思います。
ガンの手術によって声を失った地方議員のドキュメント。
人が他の人に意志を伝える一番有効な手段である「声」を失って、議員という仕事が続けられるかどうかという内容かと思っていたら・・・想像以上に重く、腹の立つ内容でした。
中津川市の市会議員である小池公夫さんは、声帯を失い声が出せなくなってからも、選挙では声を取り戻す努力をすると約束し、娘さんや協力者に原稿を代読してもらう事で選挙を勝ち抜き、議員として当選しました。
しかし、その後一回も本議会で質問の場を得ることができませんでした。
それは質問内容を書いた紙を市議会職員が代読する事を市議会が拒否したため。
自分の想いが伝わるからと「代読」を求める小松さんと
あくまでも自分だけの力で発言する事を求める市議会がわ
声を出すことが出来ない小松さんに、市議会が代案としてだしたのはPCソフトによる原稿の読み上げ。
小松さんは、いかにも器械的なPCの読み上げを拒みましたが、議会でこの件についての審議が行われ、賛成多数で代読を認めないことが可決されてしまいます。
小松さんはこれを受けて、議会での発言の方法については、自由に決める権利があると、「人権委員会」による勧告書を議会に提出してもらいます。
これが議会の気に障ったのか、メンツをつぶされたのかと思ったのか。
議会はあくまでも代読による発言を拒否、小松さんもそれに反発するかの様にあくまでも代読での発言を求める・・・そうして任期の4年の間、一度も本議会で発言の機会が得られぬまま、小松さんは議員を引退します。
今はPCによる読み上げも精度は高いですし、原稿を読むだけであれば充分に意味は通ります、市民の声を吸い上げるのが第一という議員の立場からすれば、小松さんの態度はややいき過ぎると映るかもしれません。
しかし、障害者という「少数派」の意見を、多数決で決まった事だからと、決めつけてしまっても良いのかどうかという観点にまで立ち返ると、あくまでも拒否し続ける議会の態度にも大いに問題があると思います。
そして、あくまでも静かに、感情を抑える小松さんに対して、番組のインタビューに答えた市議会議員や議長の態度はどこまでも尊大です。
たぶん地方都市の多くの議員や役所のえらいさんは同じような態度をしている気がします、人を見下して、自分が間違っているとは決して認めない傲岸不遜さ。
地方自治という小さな範囲での権力を隠さない、小物臭溢れるその態度は、全国区の番組でいっそあっぱれと言えるものでした。
自分達とは異なる存在に対して、私達は無意識に「壁」をつくっています。
それは、その気になればあっさりと乗り越えられるぐらいに薄く、軽いものであるにも関わらず、その気にならなければ決して破ることはできず、視線や声を通すこともありません。
そして、ほとんどの場合、私達は大多数の側に存在していて、少数の側に回ってから初めてその「壁」に気が付きます。
壁の向こう側にいる人の気配を探り、壁の向こうで上げている声なき声を聞くアンテナを持たないといけないと感じさせるドキュメンタリーでした。
今年の春に行われた地方統一選挙、議員を引退した小松さんは、家庭菜園を行いながらその時期を過ごしていました。その一方、彼の想いを無視してきた議員達も含めて、多くの立候補者が声を張り上げて、自分達への投票を呼び掛けていました。
こういった事でも、まともに対応しない議会が、大きな事でまともな事は出来ないでしょう。
小松さんは議会を変えることは出来ませんでした。
では、いったい誰が中津川市を変えるのか・・・難しく、重い問題だと思います。
by tlunar
| 2007-06-18 23:53
| 日々想う事